2009-02-22

一昨年の10月に亡くなつた打海文三の最後の小説「ドリーミング・オブ・ホーム&マザー」光文社(199・used)を読み終へた。「ロビンソンの家」を読んだばかりなので、人物の行動が一部交錯した。「時には懺悔を」から読み始め、テビュー作「灰姫」(絶版)と「裸者と裸者」「愚者と愚者」「覇者と覇者」の連作を除いて凡て読んだ。人物には幾つかのパターンがあるやうで、それを整理して分析するつもりはないが、例へば手塚治虫のヒゲオヤジみたいにあつちこつちに登場してゐる。背徳的でグロテスクで凶暴で甘美で幻想的でもある。音楽が「薄く」流れると書くのだ。低くでも小さくでもなく「薄く」と。

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