2007-12-30

94.死者の木霊

内田康夫・講談社文庫(used)
一昨年の暮れに「後鳥羽伝説殺人事件」を読んで以来だ。これがデビュー作とある。「後鳥羽伝説」のはうは内容が思ひ出せないので探したけど見つからないから処分したのかも知れない。これは主人公の刑事が竹村と言つて信濃のコロンボといふシリーズになつてゐるやうだ。人物が非常に丁寧に描かれてゐるし、地形や風景なども細かく書かれてゐるから小説としては破綻がないけれども、ミステリーとしてはスリルに乏しい。なんと言つても内田康夫は浅見光彦ものが知られてゐる。確か「後鳥羽伝説」の探偵役は浅見光彦だつたやうな気がする。いづれにしても累計で1億部を超える発行部数を持つ作家の作品は、ちよつと気が引けて手が出せないが、このシリーズは幾つか読んでみたいと思つた。

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