2007-12-11

92.バラバラの名前

清水義範・新潮文庫(used)
「配分王」が一番面白かつたが、これは東海林さだおネタだな。ここまでぢやないけど、飯を食ふとき、とくに外食とか弁当の場合、実際オレはペース配分してる。尤も、飯だけ残つちやふのが寂しいから、味気ないといふだけのことだ。「新作落語」は正にその通り。だいたい新作落語の会話で必ず出てくる「君」。そんな言ひかたはしないよ。ただねえ、新作落語を聞くとねえ、なぜかはわからんけれども、源氏鶏太の小説をちよつと連想してしまふ。それと森繁、フランキー堺の映画で駅前シリーズ。駅前シリーズそのものの原案つて、やつぱり井伏鱒二の「駅前旅館」なんだらうけど、全然別ものだよなあ。映画のはうも嫌ひぢやないけど。ほかに全部で8篇収録されてゐて、いかにも清水義範つていふ本でした。読んだあとでいつも感じてしまふのは、面白いんだけど、なんか小説を読んだつていふ気がしない、物足りなさが湧いて来るんだなあ。(蛇足だけど、絶対似てねえよ、と大方の反感を買ふかも知れないが。オレは清水義範は一時期の筒井康隆とダブるのだ)

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