2006-06-29

30.「心の旅路」連続殺人事件

中町信・徳間文庫(used)
もとは「殺された女」だつたと解説にも奥付にも出てゐるが、オレが調べた資料では「空白の近景」となつてゐた。題名はまア、どつちでもいいんだけど、「空白の近景」といふ題で第十八回の江戸川乱歩賞に応募し最終候補に残つてゐる。出版された際に「殺された女」になつたやうだ。Amazonで検索して手に入れたのだが、解説は中島河太郎氏で,氏は創元推理文庫で復刻された「高校野球殺人事件」の改稿決定版「空白の殺意」の解説(折原一氏)によれば、中町氏のデビュー作「新人賞殺人事件(創元推理文庫で復刻された時は「模倣の殺意」)の江戸川乱歩賞の選評で「フェアではない。あと味がよくない」と高木彬光氏と共に否定したと書かれてゐる。モラルとかないんでせうね、この人。この作品は第二作です。前作(「模倣の殺意」)と「散歩する死者」(「天啓の殺意」)が圧倒的なので、どつちかといふと控へめだが、面白く読んだ。この辺から既に旅行とミステリーが絡んで来るんだねえ。水上温泉と沼田署が出て来る辺りも。

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