2008-09-24

155.パラサイト・イヴ

瀬名秀明・角川書店(used)
1995年の第2回日本ホラー小説大賞に選ばれ、ベストセラーになつたと記憶してゐる。第4回の大賞が貴志祐介の「黒い家」で、これは読んだし、映画にもなつたのでDVDで見てもゐるが、こつちはなかなか読む気にならなかつた。BookOffで、105円の単行本で目立つ汚れもなく状態がよかつたから、つい買てしまつたが、買つてからも、なかなか読む気にならなかつた。カバーの絵が気味が悪かつたこと、プロローグを読んでも、ちつとも興味が湧かない。一箇月放置してゐた。それがちやうどなにも読めない状態と重なる。カバーを外して読んだ。発想はびつくりする。ミトコンドリアなんて中学の理科で習つて、辛うじて名前を知つてるだけ。第三部に入り、300頁を過ぎた頃から章の括りが短くなり、テンポが早くなる。14で文章実験みたいなところが出て来る。23にもある。が、果たして効果的かどうかは疑問。ずるり、どろり、ぎくり、にこり、ごきり、ゆるり、にやり、ぐにやり、ぶくり、びしり、かういふ「○○り」がお気に入りなのか、終盤のクライマックスでたくさん出て来て閉口した。本の最後に選評があり、絶賛されてゐるけれど、ホラー映画には確かにグロテスクなシーンはあるし、汚いと感じる場面もあるが、それを踏まへても、汚いと感じる場面があつた。また、怖さといふ点では期待してゐたものとだいぶ質が違ふ。

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