2008-06-30

黄色い部屋はいかに改装されたか?(再読)

都筑道夫・晶文社
これは植草甚一の「雨降りだからミステリーでも勉強しよう」と一緒に本棚の直ぐ手の届くところに置いてある。改めて最初から読み直すことは余りないが、時々捲つてゐる。始めから読み直したのは、ミステリについて、もう一度勉強しようと思つたからだ。P35真ん中辺り「いちばん理想的な犯罪は、それが犯罪に見えないことでしょう。殺人の場合は、ことにそうです。だからこそ、冷静に計画するはずなのに、捜査側の動きを予想して、アリバイを偽造したりする。自分が疑われるような可能性があれば、その計画は変更されるべきでしょう」まつたくその通りなんだが、それではミステリそのものを否定しかねない。犯罪小説になつてしまふ。作者が提出した謎を探偵役がどうやつて解明するか、その面白さなのだ。その推理の道筋が納得できるかどうか。都筑さんもおなじやうなことを言つてると思ひますよ。

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