2008-03-10

110.111.ストレンジャーズ 上・下

ディーン・R・クーンツ/宮脇孝雄訳・文春文庫(used)
面白かつたねえ。用事が入つて途中で本を置くのが惜しくて仕方がなかつた。名前だけは知つてたけど、ユッスー・ンドールみたい(名前を見たら、また聞きたくなつた)で読み難い名前だし、カタカナタイトルだし、表紙の絵がどれも好みぢやないし、ぶ厚いし、人がいつぱい出て来るし、面倒くさいので避けてゐた。しかし、初めて読んで驚いた。500頁を超える長さの2冊本を最後まで退屈させずに読ませるのだから凄い。細かい部分もよく書き込まれてゐるから、あり得ないやうな場面も抵抗がない。サスペンスのやうでSFのやうで、ファンタジーとも言へなくもないか。登場人物も魅力的だ。ジンジャー・ワイスをこの目で見たいし、ウィカジク神父、パーカー・フェイン、ジャック・ツイスト、リタ・ハナビィに会つてみたい。そしてリーランド・ファルカークの首根つこを摑んで考へられるだけの罵倒をしてやりたいくらゐだ。……が、文句を言へばキリがないところもある。ご都合主義的な展開だと言へば、それで終りだ。その辺りを捜して突ついたら成り立たない物語だ。大雑把な印象はハリウッド的SF映画のシナリオみたいなものだ。しかし、抜群に面白い。

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