2014-12-29

591.バカ丁寧化する日本語

野口恵子・光文社新書(used)。まへに「かなり気がかりな日本語」(集英社新書)を読んでゐる。よく耳にするをかしな日本語を扱つたものだつた。「千円からお預かりします」、「こちら(注文した食べ物)になります」など。更に、あちこちで「いらっしゃいませ、こんにちは」と叫ぶ、やまびこ挨拶などについて書いてあつた。これは主に敬語を扱つたものだが、全体のトーンは同じで、説教臭くなく、読み易く面白くて、しかもためになる。敬語はむづかしい、とくに謙譲語。P204「尊敬語や謙譲語を適切に用いる自身がなかつたら、丁寧語だけにしておけばよい」、確かに。それで礼を失することにはならない筈だ、表情や態度で補へばいいのだから。をかしな敬語で書かれた看板や表示をみると、一体何が言ひたいのか、誰に敬意を払つてゐるのだらう、と首を傾げることがあるけれど、P216「敬語が難しいと思えば、普通の言い方に直してみるといい。敬語という化粧をとると真の姿が見えてきて、おかしな日本語や失礼な表現に気づくことも多い。そうしたら直せばいい。そして、必要なら、改めて敬語に挑戦すればよい」、正に仰る通りです。今年はこれが最後でせう、まだたつぷり2日あるけど、この年末年始はヘンリ・ミラーの「マルーシの巨像」をゆつくり読みたいので。

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