2011-12-16

貫井徳郎「迷宮遡行」新潮文庫(422・used)「慟哭」が面白かつたので、買つてみた。とつぜんの妻の失踪を追跡するうちに事件に巻き込まれて行く話。暴力団抗争と絡ませなくてもいいんぢやないのかなあ。妻の素性が二転三転して、結果は大胆だけど、動かせないストーリーの骨組みが先にあるからさうなつた、といふ気がする。P54をはりのはうで、電気のメーターボックスにある合鍵を偶然見つける件り。「腹立ち紛れに、メーターボックスを開けてみた。」止むを得ないかも知れないが、出来過ぎでせう。P98妻に似た人と妻と妻の妹と佐久間の妹が入り乱れて区別ができない。終盤(31の部分)の主人公の行動は判らなくもないが、強引な気もした。警察官の兄がゐて、一応は助けられてもゐるワケで、それでも取れる行動だらうか。「天使の屍」でも納得できないところがあつたし、しばらく貫井作品には手を出さないことにしよう。

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