2009-06-17

「その後でいろいろあつて2人とも失踪する」のは双子のことで、Dr.テンマは含まない。テンマの年齢もはつきりしないが、1996〜97年に20年近くまへに大学生だつたといふ話(Dr.ギーレンの回想5巻P17)が出るので、1976年頃に20代前半だつたことになる。双子が三匹のカエルの家から出て、──それはバラの屋敷で46人が死ぬ事件の直ぐあとなので、これが1981年頃だ(ヴォルフ将軍が死の床で14巻P130)といふから、1986にリーベルト夫妻の養子になるまでの時系列的な流れと年齢がよく解らない、とまへに書いたが、序でに気づいた点を挙げると、シューバルトの実の息子だと解つたカールは7巻P38〜41で里親と養子縁組?の約束をしてるのに、シューバルトの息子として生活してるが、どうなつてるのか。見落としてるのか、読み落してるのか。さういふことは何度かあつて、例へば、カールの母親もヨハンが殺したの?──カールの母親と一緒に暮らしてたらしいから、さう思ひ込んでゐたが、18巻P226でヨハンとアンナの母親が登場するから違つてた、とか。Dr.テンマが逮捕され(12巻P160)、テンマを助けようとする患者たちの話があつて、同じく12巻P192でジャン・ギャバンに似た顔のDr.シューマンが出て来るのだが、今回の再読で、この挿話がどこだつたか(3巻P131第6章)、この巻=12巻を読んでゐたときには思ひ出せなかつたくらゐたがら、あれこれ言つてることも実は見落としに過ぎないのかも知れない。テンマが好きだといふサンドウィッチの種類がどこかに出てゐて、確かそれがディーターがニナに食べろと勧める場面だつたが、どこだつたか解らない、見つからないなんてこともザラだ。
ところで、グリマーの墓に1954-1998とあつて(18巻P214)、この物語の現在時は1998年だと解り、凡そ3年間のドラマなのだな、と了解するのだが、グリマーは30年まへに14歳、511キンダーハイムに入つたのは7,8歳で1963年だつたと自分の口から言つてる(11巻P152)ことで、微妙に人間関係が覚束なくなるのだ。18巻P117で、ヴィム少年がソファーに寝かされたグリマーの傍らで、本人から聞いた話としてアドルフ・ラインハルトといふ友だちの名前を出す。そのベージの前後でルンゲ警部と争ふロベルトの口から、施設(511キンダーハイム──1985年に施設は焼失)を出た自分のまへにヨハンが現れて、彼は自分があたたかいココアが大好きだつたことを思ひ出させてくれたと語るだが、カレル・ランケ大佐とグリマー、Dr.テンマの三人での話(11巻P152)から、実はロベルトがアドルフ・ラインハルトであり、カレル・ランケ大佐の甥=妹の子どもであらうと推察出来るる。するとロベルトとグリマーはお互ひに記憶があるかどうかは別にしてもほぼ同時期に511キンダーハイムにゐたのではないか。ヨハンはどうやつて、グリマーがやつと思ひ出したやうな、そして本人もそのときに漸く思ひ出したやうなココア好きの嗜好を知り得たのか。偶然か。ヨハンとロベルトは20歳近く年が離れてゐる。いつヨハンが現れのか不明だが。──それよりも、3巻でテンマが出会ふディーターといふ少年を引き取つて育ててゐたハルトマンの家でディーターは511キンダーハイムにゐた子どもたちの写真を見たことがあると言つてる場面があつたのだが、何巻だつたかいまは思ひ出せないが、もしさうなら、グリマーもロベルトもヨハンもディーターは解るのではないか。

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