2008-11-27

165.空飛ぶ馬

北村薫・創元推理文庫(used)
どうも苦手な文章で、ペダンチックなところはまあOKなんだけど、通ぶつてる感じがするんだなあ。学のない僻みもあるが。解説にもあるし、評判通りの日常生活の中にある謎を見事に解決するところは面白いのだが、地の文がどうにもイヤだ。母を母上と呼ぶが、父は父。女子大生言葉的だといふことか、「けれど」の連発。5篇それぞれ工夫がある。「胡桃の中の鳥」は纏まりがない印象。「赤頭巾」が一番面白かつた。これはシリーズになつてゐて、「夜の蝉」が日本推理作家協会賞を受賞してゐる。これはデビュー作品集。これだけで充分かな。

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