2013-03-15
2013-03-08
このまへの投稿からけふまで、一冊もあらたに読み始めることができなかつた。いまもさういふ気持ちになれないのだが、以前読んだ本の中から気になつてゐたところを読みなほしたりしてゐた。例へば、金井美恵子が吉田健一の「私の食物誌」(中公文庫)の解説で書いてゐた「わたしが不自然だ」と思ふ比喩は丸谷才一の「食通知つたかぶり」(文春文庫)のどこだつけ、と不意に思ひついたものを探して確認する。或はPHP文庫の「相対性理論を楽しむ本」、「量子論を楽しむ本」などを拾ひ読みするけれども、始めから読み通すことはできなくて途中でなげ出す。後藤明生の「挟み撃ち」(講談社文芸文庫)の冒頭部分も読み返して、見事だなあ、と嘆息するけれども、そのまま読み進めることはできない。それからカフカ「ある流刑地の話」(角川文庫)と芥川龍之介「或る阿呆の一生・侏儒の言葉」(角川文庫)の中の数篇(この2冊は本を読むやうになつた頃から特別気に入つてゐる本で、カフカのものは「観察」と「村の医者」といふ短いものを集めたものが好きで、芥川では「たね子の憂鬱」「歯車」──これは閃輝暗点と呼ばれるもので、オレにも屢々現れる、車の運転も不可能だし、歩行すら怖い──「本所両国」特に「鵠沼雑記」、表題になつてゐる作品にはまつたく興味がない)なども手に取つてはゐるけれども、いづれも「読んだ」とは言へないだらう。
そんな中で、川端康成の「伊豆の踊り子」(新潮文庫で、ほか三篇あり)、小松左京の「蜘蛛の糸」、「沼」(いづれも「地球になった男」新潮文庫にあり短いものだ)はきちんと読み終へた。「伊豆の踊り子」の解説は三島由紀夫で、三島はこれを「断片という感じを与える作品ではない」と言ふが、川端自身は「もっと長い草稿の一部分であった」と全集のあとがきに書いてるさうだが、ずゐぶん久し振りに読んで、本人の言ふとほりではないか、と思つた。中途半端な作品といふ意味ではなくて、もつと長いものの一部といふはうが相応しい気がした。
それから結城昌治の短篇集2冊(角川文庫)から「温情判事」「長すぎたお預け」「私に触らないで」「蝮の家」の4 篇。上手い。筒井康隆のエッセイも拾ひ読みした。なかで触れてゐる佐藤愛子の「何に向かって」といふエッセイの原本を読みたいのだが見つからない。
さて、「よつてたかつて志ん朝」でも読み返すかな。
そんな中で、川端康成の「伊豆の踊り子」(新潮文庫で、ほか三篇あり)、小松左京の「蜘蛛の糸」、「沼」(いづれも「地球になった男」新潮文庫にあり短いものだ)はきちんと読み終へた。「伊豆の踊り子」の解説は三島由紀夫で、三島はこれを「断片という感じを与える作品ではない」と言ふが、川端自身は「もっと長い草稿の一部分であった」と全集のあとがきに書いてるさうだが、ずゐぶん久し振りに読んで、本人の言ふとほりではないか、と思つた。中途半端な作品といふ意味ではなくて、もつと長いものの一部といふはうが相応しい気がした。
それから結城昌治の短篇集2冊(角川文庫)から「温情判事」「長すぎたお預け」「私に触らないで」「蝮の家」の4 篇。上手い。筒井康隆のエッセイも拾ひ読みした。なかで触れてゐる佐藤愛子の「何に向かって」といふエッセイの原本を読みたいのだが見つからない。
さて、「よつてたかつて志ん朝」でも読み返すかな。
2013-02-14
2013-02-10
イアン・アーシー「怪しい日本語研究室」新潮文庫(526・used)まへに書いたが、読み始めて1/3くらゐで滞つてしまつた。それから暫くそのままにしてゐた。最近、小説が読めなくなつてゐて、そのせゐか、かういふエッセイなどのはうが読める。P14いきなり「ど真ん中」はないでせう。P53肉の「ニク」は音読みで訓は「しし」、さうなんだ、勉強になりました。P176〜177、日本史を勉強してゐた頃に古文書に挑戦したさうで、書く順番と読む順番が違ふものがあつて、例へば江戸時代の借用証書には「為後日仍如件」で締めくくられてゐるが、これはそのまま文字の順に読むのではなくて「後日の為、仍って件の如し」と読むといふ「ひねくれた順狂せの表記法」と書いてあり、その名残が「含消費税」や「禁無断転載」「至新宿」「乞う御期待」などだと言ふ。これは本気で言つてるのか読み手を試してるのだらうか。最後のはうのマヤ文字と日本文字の類似性について書かれた部分、P180以降はかなり専門的なのでよく解りませんでした。
2013-02-03
2013-01-30
2013-01-29
2013-01-28
古谷実「僕といっしょ」1〜4講談社ヤンマガKC(518〜521・used)状態はあまりよくないけど、amazonで全巻セットだつたので文句は言ふまい。最近BookOffでどれも105円で全巻揃つてゐたのを見掛けたが、人生といふものはさうしたものだ。急いては事を仕損ずる、と言ふ、かと言つて待てば海路の日和あり(だとばかり思つてゐたら、OS附属の辞書で確認したらなんと「待てば甘露の日和あり」の言ひかへなのだつだ!)、とは限らないけど。これは「稲中」のすぐあとの連載のやうで、絵も「稲中」寄りかな。「稲中」は1巻読んで挫折したんだけど、これも近いものがある。笑ひが奇矯だよね、eccentricといふんでせうか?manneristicと言ふか、強引さがあるね。車で拾つたお金と拳銃は結局どうなつたのか。
2013-01-11
2013-01-07
藤原審爾「新宿警察」双葉文庫(516・used)連続テレビドラマにもなつたといふ警察小説。ほかにも数冊出てゐるが、これが第一作。1975年に双葉社から刊行された。38年前の作品。謎解きとしては今ひとつだが、複数の場面や人物、出来事が交錯する書き方は映像を見るのに似てゐるかもしれない。P53「オカツの後に出れるところで信号が」→「出れる」とは新しい。P66「パンにミルクにうで卵」→「うで卵」は「茹で卵」のはうが一般的だ。P81「前科が三犯もある風太郎」→「風太郎」は「ふうたろう」とルビあるが「ぷうたろう」の意、Macの辞書には出てゐた。P98「拾つた流しはエントツをやらせたし」の「エントツ」がちよつと解らない。タクシーが空車の札を立てたまま走ることらしいが、この話の中での意味がしつくりしない。P137「どうにか暮らして大学も出れた」→「出れた」はさすが。この頃から「ら抜き」があつたんだねえ。
2013-01-02
2012-12-26
2012-12-21
2012-12-17
2012-12-12
黒川博行「海の稜線」創元推理文庫(505)だいぶまへにbookoffで105円で見掛けたことがあつた。その頃はまだ黒川博行の初心者だつたから、海難事故云々やブンと総長といふコンビ名も厳ついし敬遠した記憶がある。続けて警察小説を読んで来て、このブンと総長のシリーズをどうしても読んで置きたいと思ひamazonで購入。高速道路での自動車爆発事故から始まる。身元不明の被害者を探すうちに一つの海難事故との関連が浮かび上がる。それが偽装の海難事故ではないかといふ疑惑から事件が解明されて行く。相変はらず黒川博行は誰も余り取り上げない分野(今回は海運業界)を舞台にして手際よく本格ミステリに仕上げてくれる。どれを読んでも外れがない。オレは大阪府警シリーズが好きだけど。この後でブンは総長の娘と結婚するのだが、そつち(「ドアの向こうに」)を先に読んでしまつた。
2012-12-07
樋口有介「ピース」中公文庫(504・used)前橋出身の人といふことで名前は知つてゐた。始めて読んだ。実に巧みな文章で、説明する文章は少なく、会話の中で登場人物が浮かんで来る。連続殺人がなぜ起きたのか、そこのところが今ひとつ納得できない。読み応へは充分なのだが。→読み終へて改めて表紙を見るとピースといふ言葉から受ける印象も複雑だ。子どもたちが無邪気にピースサインを出してゐる。しかし、それで本当に連続殺人が起こつたとしたら、事故の遺族の方々は耐へられないだらう。どんなに不謹慎だつたとしても、所詮子どもがやつたことでせう。なんども言ふけど、アルフレッド・ジャリの事故とカメラマンといふ一文に尽きる。マスコミのかかはりかたにこそ問題がある。(2012.12.14追記)これからは後から記入したときは、こんな風に(自分でも)解るやうにしよう。遡るのが面倒だけど、暇を見つけては直して行かうと思ふ。
2012-12-05
横山秀夫「陰の季節」文春文庫(503・used)これも警察小説の一つ。但し、警察内部の、直接捜査をしない部署を扱つてゐる点で新しい。殺人だけがミステリぢやない。そんなことは当り前なんだけど。謎があつて、謎を解く、その過程の面白さは充分ある。天下りの部署にしがみ付く元幹部はなぜ居座らうとするのか。これが「陰の季節」といふ短篇で、これで松本清張賞を受賞してゐる。兎に角、文章が気になる。馴染めない言ひまはしがあちこちにあるのだ。そこのところを書きたいが、なら自分で書いてみろ、と言はれさうなのでいまは触れない。→やつぱり気になつて仕方がないので書いてしまはう。取り敢へず「陰の季節」の冒頭3行。そのまま引用する(著作権に引つ掛かるかな)。
「春も間近の風音も、この部屋までは聞こえてこない。窓は閉め切られ、隙間なく引かれたカーテンにも厚みがある。空調は働いているようだが、耳障りな音の割りに効いていないことは、ここで半時もパソコンを叩いていればわかる。」
先づ書き出しの「春も間近の風音」の意味が解らなかつた。春を知らせる風の音といふことかな、と気づいたのは全部読み終はつてから。続く「隙間なく引かれたカーテンにも厚みがある。」なら、カーテンの素材や色を書けばいいのではないか。或は、厚手の黒い(例へば)天鵞絨のカーテンが隙間なく引かれてゐる、ではダメなのか。最後の「耳障りな音」で空調が働いてゐることは半時以上そこにゐる人物には充分解つてゐるのになぜ断定しないで「空調は働いているようだが」と曖昧にするのか。
その数行後で、D県警本部の警務課別室を警務課員以外の警察署員は「人事部屋」と揶揄する、と書かれてゐるんだけど、それが揶揄してる呼び方とは受け取れない。警察内ではさうなのか。もつと他にもあるんだけど、長くなるので止めるが、「馬鹿殿よろしく大抜擢を乱発する本部長が」の馬鹿殿つて、志村けんの馬鹿殿のことかと思つてしまつたが、この例へが必要だらうか。(2012.12.31)
「春も間近の風音も、この部屋までは聞こえてこない。窓は閉め切られ、隙間なく引かれたカーテンにも厚みがある。空調は働いているようだが、耳障りな音の割りに効いていないことは、ここで半時もパソコンを叩いていればわかる。」
先づ書き出しの「春も間近の風音」の意味が解らなかつた。春を知らせる風の音といふことかな、と気づいたのは全部読み終はつてから。続く「隙間なく引かれたカーテンにも厚みがある。」なら、カーテンの素材や色を書けばいいのではないか。或は、厚手の黒い(例へば)天鵞絨のカーテンが隙間なく引かれてゐる、ではダメなのか。最後の「耳障りな音」で空調が働いてゐることは半時以上そこにゐる人物には充分解つてゐるのになぜ断定しないで「空調は働いているようだが」と曖昧にするのか。
その数行後で、D県警本部の警務課別室を警務課員以外の警察署員は「人事部屋」と揶揄する、と書かれてゐるんだけど、それが揶揄してる呼び方とは受け取れない。警察内ではさうなのか。もつと他にもあるんだけど、長くなるので止めるが、「馬鹿殿よろしく大抜擢を乱発する本部長が」の馬鹿殿つて、志村けんの馬鹿殿のことかと思つてしまつたが、この例へが必要だらうか。(2012.12.31)
2012-12-04
2012-12-02
登録:
投稿 (Atom)