2011-03-09
鯨統一郎「タイムスリップ森鷗外」講談社文庫(391・used)。「タイムスリップ明治維新」には呆れたなどと書いておきながら、状態のいい本書をBookOffで見つけたので買つてしまつた。こつちのはうが面白い。現実との整合性なんてものは、はなから念頭にはないらしい。これを読むとホントに鷗外つて幾つまで生きてたんだらう、と調べたくなる(60歳で没)。なんてたつて鷗外は19歳で今の東大医学部卒業だから、相当優秀なエリート。現代へやつて来て、携帯、ワープロ、果てはパソコンでホームページ作成なんてことも充分こなせる気がする。一応ミステリなので犯人が登場するが、推理は面白くても真犯人が誰だらうと構はない。作者が楽しんで書いてるのは充分判ります。
2011-02-27
鯨統一郎「タイムスリップ明治維新」講談社文庫(390・used)。呆れて口がきけない。半分も読まないうちに興味が失せた。これを小説と呼ぶのでせうか。読み物だらうね。人間がどう、といふ話ではない。答へが出てゐるものをなぞつてゐるだけ。それに付き合はされるだけ。うららは簡単に維新関係者と寝ちまふし、女と寝たくらゐで肝心なことをベラベラ漏らしてしまふはうも情けない話で、そんなことで明治維新といふ革命が実現したのなら、逆に江戸時代つて何だつたの?だよ。軽くねえ?誰が喋つてるかも不明な書き方は相変はらずだし、下級武士が上級武士との身分差の不満が明治維新にかかはつてるかのやうな記述があるけど、山本博文「学校では習わない江戸時代」によれば、恰も無礼打ちが横行してもゐたかのやうな印象がある江戸時代だけど、綱吉以降は建前になつてゐたやうなので、幕末の侍には当て嵌まらないのではないか。
2011-02-23
2011-02-20
2011-02-19
2011-02-13
2011-02-12
2011-02-03
ジェイムズ・エルロイ/吉野美恵子訳「ブラック・ダリア」文春文庫(372・used)。去年の8月「ねずみの騎士デスペローの物語」を読んで以来の翻訳物!自分でもびつくりした。因みに解説には表紙の女性がブラック・ダリア、つまりエリザベス・ショートだと書いてあるが、オレが持つてるのはブライアン・デ・パルマの映画でベティ役をやつてた子(ミア・カーシュナーでした、wiki調べ)の写真。小説より先にこの映画をレンタルDVDで見てゐる。読みをへてからもう一度見て呆れた。すつかり内容なんて忘れてたんだねえ。ケイ・レイクがスカーレット・ヨハンソン!全然ちげーよ、イメージと。もつと引き締まつた印象の人ぢやないとダメ。更にマデリンがヒラリー・スワンク!ぢけーよ、全然。金持ちの娘で、実の父親はハンサムだつていふ設定だぜ。どうしたのデ・パルマ、つて配役。しかも、マデリンとベティ・ショートはそつくりだつた、と原作はなつてるし、映画の中でも似てるといふ設定だけどさあ、ヒラリー・スワンクとミア・カーシュナーはまつたくの別人でせう、どう見ても。似てると思ふ人ゐるのかなあ。余談だが、主人公は本ではバッキー・ブライチャートとなつてるけど、映画ではブライカートと呼んでたよ。映画の話はここまで。原作と映画が違ふのはあたりまへだけど、小説ではメキシコまで脚を伸ばして展開するところなどが省かれてゐた。そりやさうだ、570頁もある厚い本だから。かういふのをノワールだかノアールだかと呼ぶらしいが、犯罪小説と警察小説を足した感じ。犯人探しや意外な人物の事件への関与など、ミステリとしての面白さもある。1947年に実際に起つた未解決の事件を題材に真犯人を指摘するといふ離れ業をやつてる。関係者から苦情や訴へはなかつたのかね。地名やらなにやら少々頭に入らないところもあつたが、充分面白かつた。エルロイの母親は彼が10歳のときに誰かに殺され、17歳のときには父親が死んでしまふといふ境遇だつたさうだ。「LAコンフィデンシャル」つてのも書いてて、これもまた映画になつてゐて、それも見たことがある。贔屓のケビン・スペイシーが出てるけど、嫌ひなラッセル・クロウも出てる。これも面白かつた、VHSのレンタルだつたけど。原作は上下2冊。うーん、ちよと満腹だなあ。最後にホントに蛇足なんだけど、p198真ん中辺りの下のはう「どまんなか」、p339の1行目「どまんなか」。そこだけ関西弁はやめてほしいなあ。黒川博行ぢやないんだから。
2011-01-22
で、藤原伊織「テロリストのパラソル」講談社文庫(371・used)。史上初の江戸川乱歩賞、直木賞のダブル受賞と裏に書いてあるし、解説でも絶賛してゐるけれども、読みをはつたばかりの「雪が降る」がamazonのプレビューに倣つて★★★★だとしたら、これは★★★。主人公の設定は都合良すぎるけれども、まあハードボイルドの主人公はみんなこんなものだ。細かいところで気になることが幾つかあるが、ネタバレになるかも。主人公の島村が20年以上も逃げ続けるキッカケになる車での爆弾事件は事故で処理されるのではないか。この事件で死んだ警官の妻の弟が8歳(p125)といふのは作り過ぎではないか。終はりのはうで金田一さんみたいに読み手に知らせない場面が出て来る。p252でホームレスの元医師らしい老人に何を聞いたのか書いてないし、p292でも江口組の上部組織の構造を週刊誌の記者に聞いてゐるが、答へた内容が書いてない、など。p296飲み屋での喧嘩のくだりは、なくても物語に特に影響がない気もするし、犯人が爆弾事件はテロだと言ふけど、単なる私怨だし、ホントに人でなしにしか思へない。その辺りが気になつて、華々しい受賞ほどには面白くなかつた。「雪が降る」のはうがよつぽど面白い。
2011-01-18
2011-01-15
2011-01-09
湊かなえ「告白」双葉文庫(367・used)を読む。第一章「聖職者」で小説推理新人賞、書き継がれたこの「告白」で「週刊文春08ミステリーベストテン」で第一位、第6回本屋大賞も受賞したベストセラーださうだ。映画にもなつたやうだ。作者の名前を見たことがあるなあ程度で手に取り、スラスラ読めるので買つた。一気に読ませる。ミステリとしても面白く読める。教室での喋りに始まり、手紙、日記、ネット上のテキスト、携帯電話の喋りなどスタイルはかはつてはゐるが、要は語り、喋りのスタイルのヴァリエーション。荻原浩の「神様の一言」もさうだつたが、コミックに近い印象。それが悪いと言つてゐるのではない。それが軽いと言つてゐるのでもない。小説の質が変はつてゐるんだな、と思つただけ。それとこれは貫井徳郎の「天使の屍」でも書いたが、中学生の虐めや自殺、殺人をかういふ形で小説にしてほしくない。問題提起なら別の形で書いてくれないか、と思ふ。現実に起つてゐるのに目を背けるのは卑怯だ、と言ふなら卑怯者で結構。現実だけでたくさんだよ。
2011-01-03
2010-12-30
2010-12-27
2010-12-23
2010-12-18
林成之「脳に悪い7つの習慣」幻冬舎新書(363)読了。タイトルに釣られて買つてしまつた。脳に悪い習慣とは①「興味がない」と物事を避ける②「嫌だ」「疲れた」と愚痴を言ふ③言はれたことをコツコツやる④常に効率を考へてゐる⑤やりたくないのに我慢してやる⑥スポーツや絵等の趣味がない⑦滅多に人を褒めない、の7つ。脳神経細胞が本能として持つものは「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」の3つだといふ。そこからいろいろな、脳神経外科医としての経験(これが非常に興味深い)を含めた例を引いて説明してゐる。要は脳に変なクセや習慣をつけるな、といふこと。本文中に「だいたいわかった」ではいけない、と書いてあつたから、もう一度読むことにしよう。
2010-11-29
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