2010-06-27

東野圭吾「容疑者Xの献身」文春文庫(304・used)。これは犯人の側から書いてゐるから倒叙推理に属するのか。このトリックは意外だつた。ただオレのモラルとしては石神の選択は許せない。ラストは別の形にはできないだらうか。大袈裟な感じがした。

2010-06-17

まへもつて説明すると、毎晩ではないけれども、寝るときに布団の中で本を読むことがある。主にコミックなんだけど、小説のこともある。一昨日、なににしようか選んでゐて、なんとなく中町信を読む気になつた。結局「田沢湖殺人事件」(×2)にしたが、特別な理由はない。きのふは時間を見て続きを読み進め、布団の中で読み終つた。が、終盤の記憶がはつきりしなかつたから、けふ昼休みに読み直した。このブログでも06.03.26付で書いてゐる。今回のはうが面白く読めた。やつぱりピンク電話は出来過ぎだけど、今度は堂上の視点で書かれた第二部「密室の過去/第六章浪風理太郎/3」。この時点で堂上がタンちやんは誰か疑問視するのは誤読を誘導してる。が、まあ、なかなかの作品だと思ふ。因みにけふは中町氏の一周忌であつた。

2010-06-15

(たぶん)久し振りに清水義範「日本語の乱れ」集英社文庫(303・used)を読む。タイトル作以外、あんまり面白くなかつた。中途半端な、小説と呼ぶしかないやうな形式の短篇集12。買つてすぐに読み始めたとすれば (よく覚えてないが)、読み終はるのにほぼ1箇月掛かつたことになる。まあ、「20世紀少年」やら、いろいろ読んでる合間にパラパラめくつてゐたのだつたから、そんなもんか。

2010-06-06

更に続けて中町信、しかも草津続きの「新特急「草津」の女」ケイブンシャノベルズ(302・used)。氏家シリーズなのに、ちよつと異質。なのは、ネタはバレてゐるんだけど、外から見た氏家、と言ふか。そこが意外に面白い。中町信にはドンデン返しがトラウマのやうにあるね。もつと人物説明や状況説明を詳しくすれば、何人も殺さなくても1冊分になると思ふ。

2010-06-04

続けて中町信。「草津・冬景色の女客」ケイブンシャ文庫(301・used)。けふ届いて、休みだつたから一気に読んだ。苦手な氏家シリーズだつたが、早苗の断定的な誘導推理もそれほど強引ではなかつた。面白いんだけど、やつぱり、どうしてこんなに人が殺されなくてはいけないんだらう、と思ふ。6人殺されちやふんだよ。もつと早く解決させてよ、と。

2010-06-03

中町信の「三幕の殺意」(×2)を読み返した。去年の6月17日に──だからもうすぐ一周忌である──亡くなつてゐたことを知り、追悼のつもりで読んだ。面白かつた。まへに読んだときも、いい印象だつたと思ふ。序でに、あんまり値上がりしてなくて、読んでないものを2冊みつけてamazonで買つてしまつた。

2010-05-28

池上遼一「近代日本文学名作選」小学館(300)を読む。Amazonで見つけて「ほしい、読みたい、見たい」と思ひ、しばらくカートに保管してたのを、やつぱりカートに保管してたMike OldfieldのThe Songs Of Distant Earthが聞きたくなつて、一緒に買つたのだ。どつちも単品では送料が掛かつてしまふので。レビューで誰かが書いてた気がするが、まさに「絵師」だね、池上遼一は。漫画とか、劇画とか、さういふ範疇で括るのは相応しくない。どれも見事だが、江戸川乱歩の「お勢登場」が特に素晴らしい。

2010-05-26

志ん朝一門「よってたかって古今亭志ん朝」文春文庫(299・used)を読んだ。志ん朝が息を引き取る2001年10月1日のところ。泣きさうになる。馬鹿だねえ、弟子でもないのに。ああ、志ん朝が聞きたい。愛宕山か大工調べがいい。噺が聞きたい。

2010-05-20

古谷実「わにとかげぎす」講談社ヤンマガKC全4巻(295〜298・used)。これも第4巻がなかなか手に入らなくて、「20世紀少年」以上にイライラした。だつて3巻まで読んでて、面白くて堪らず、ああ、最後はどうなるんだらう、といふ状態でのラスト第4巻だから。そもそも変な題名だなあ、と思つてパラパラめくり、その場で揃つてた3冊購入したワケだ。古谷実の名前は知らなかつたけど、「稲中卓球部」といふ漫画の題名は知つてた。取り敢へず読んでみるか、が大当たりだつた。絵も、線がいい。好きだなあ。非常によい。タイトルの意味は、熱帯~亜熱帯海域に広く分布する深海魚の名前であり、深海魚の中でもとくに自力で発光する機能をもつといふ。wikipediaで調べると、古谷は望月峯太郎のファンだと出てゐた。望月もいいが、古谷もいい。ほかのも読みたい。

2010-05-17

浦沢直樹の「20世紀少年」小学館ビッグコミックス全22巻、続けて「21世紀少年」上・下(271〜294・used)を読んだ。映画化の話を知るまへから、読んでみようかと思つてゐた。タイトルがT-Rexだし。105円で売つてるのしか買はなかつたから、集めるのに手間取つた。面白いんだけど、尻つぼみ。ともだちの凄さはなんだ?なぜ、そんなに力があるのか伝はらない。逆にそれほど、西暦をなくせるくらゐなら、国連軍になにができるのか。ともだちが誰か、といふ謎で引つぱるけれども、登場した頃は顔を隠してはゐない、読者に見せなかつただけだ。始まつてすぐ、ともだちのマークをケンヂが思ひ出せない理由がわからん。当時の仲間についても同じ。作りすぎ。引つ張りすぎ。半分くらゐに凝縮したら、もつとインパクトが強かつたのではないか。細かいところで気になる事がたくさんある。もう一度読み返さう。

2010-05-04

原作は工藤かずや。絵は池上遼一。「舞MAI」少年サンデーコミックス全6巻(265〜270・used)を読んだ。この2人の組みあはせは「信長」もさうだが、こつちは最終巻(8巻)が手に入らなくて始められない。全部揃つてると思つてレジで金額を聞いたら7冊しかないことに気がついた。同じ轍を踏まないやために「舞MAI」は全巻セットをAmazonで購入。昭和60年から61年に掛けて週刊少年サンデーに連載されたもの。実を言ふと、Sparksについてwikipediaで調べたことがあつて、その中でティム・バートン監督で、これを映画にしようとしてた時期があつた、といふ話を知り、興味をもつた。早速、Amazonで検索したら絶版。復刻した1サイズ小さい3冊本なら新刊で買へるのだが、最初に本になつた状態で読みたかつたので、中古全巻揃ひを敢て購入。ヤケは仕方ないが、目立つた汚れや折れ、書き込みもないので、状態はまあまあ良好。サイキック少女もの。世界を操る裏の組織と地球の重力の450倍といふエネルギーを持つ少女久住舞の戦ひ。面白かつた。池上遼一の絵はさすがに巧い。

2010-05-01

野坂昭如の「文壇」(264・used)を読む。久しぶりに読む野坂昭如の文章、やはり読みにくい。「エロ事師たち」は読んでる。「受胎旅行」も読んだ筈。もちろんスケベな興味で、高校時分だつたか。丸谷才一と親しかつたのは初耳。文壇裏話だが、恐るべき記憶力。なにより固有名詞が多い。雑誌名、編集者、作家、作品名、それらを省くと2/3くらゐになつてしまふのでは、と思ふ。最後は昭和45年、三島自決で幕を閉ぢる。三島批判の丸谷がその年の大晦日、「たった一人の反乱」を書き上げた話は象徴的。

2010-04-29

なんとなく望月峯太郎の「鮫肌男と桃尻女」を読み返した。ここ2年くらゐのあひだ、コミックを気まぐれに買ひすぎてる気がして、少し整理しようと思つて、金云々ではなく、場所を取る。から、読み返す気がないものは既にBookOff行き。先週、「座敷女」も読み返したら、面白かつたし、これは2007年の1月に読んでる。そのときは、あんまりなあ、だつた。手慣れた感じで、才能に寄りかかつてるやうで、ちよつとなあ、だつたのに、読み返したら、……面白い。たつた3年で、どうしてこんなに受け取りかたが違ふんだらう。絵はもともと好きなタイプの絵だし、これ、もしかしたら映画になつてるかな。若い監督が撮りたくなる感じの話だ。←1999年に映画になつてた(wikipedia検索)。

2010-04-26

赤川次郎「マリオネットの罠」文春文庫(263・used)を読んだ。第三章の途中まで、一気に読み進んだ。赤川次郎の文章は頭に入り易いので、まへの日どこまで読んだが考へる必要がない。第四章まで読み、やや期待はづれかと思ひきや、終章でのドンデン返しに吃驚。もう一度始めから、見落としがなかつたか読み返さねばなるまい。

2010-04-18

バトリシア・ハイスミス/青田勝訳「見知らぬ乗客」角川文庫(262)をどうにか読み終へた。ヒッチコックの映画とは勿論ちがふのだが、ブルーノーがミリアムを殺してからの展開が読んでゐて、よく意味が判らない。ガイとブルーノーの心の動きと行動、その説明が独特でなにを言つてるのかさつばり頭に入らない。ヒロインが入つてた短篇集はあんなに面白かつたのに、長篇は疲れる。

2010-04-14

苦戦してゐる。パトリシア・ハイスミスの「見知らぬ乗客」。赤川次郎の「人畜無害殺人事件」のまへから読み始めのに──いや、もしかしたら、もつとまへかも知れないが──途中で興味をなくして、未だに半分すぎたくらゐ。ほんとに読みにくい。修行のやうだ。短篇はすごく面白いのに、ハイスミスの長篇は疲れる。「リプリー」もさうだつた。

2010-04-11

スティーヴン・キング/深町眞理子訳「シャイニング」上下・文春文庫(260.261・used)を読み終へた。キューブリックの映画とは全然違ふといふ話は以前hiko8さんから聞いてゐたが、なるほど確かに違ふ。映画が気に入らなくて自ら脚本を書いたテレビシリーズ(全3回)といふのを見たことがあるんだけど、そつちのはうが近いのは当たり前だらうが、それでもずゐぶん省略してる。といふのも、原作はものすごく書き込まれてゐるからだ。クーンツもさうだけど、キングの場合は心理といふか、内面まで克明に書き込んでる。読みながら、トランスはまるでオレぢやないか、と思つた。軽井沢がもつと寒くて雪深く孤立してゐたら、どうなつてゐたことか。ダニーの不思議な能力のはうに注意が行つてしまふが、実は幽霊屋敷の話なんだね。
蛇足ながら、こんなホテル火災の原因を作つた家族、管理人に対して賠償責任とか、さういふ話はないんだらうか。その辺が心配、よけいなことなんだけど。(2010.04.13)

2010-03-28

ディーン・クーンツ/松本剛史訳「ミスター・マーダー」上下・文春文庫(258.259・used)。途中でやめられなくなる。例へば、ハリウッド映画のSFホラーのやうな世界。それは「ライトニング」にも「ストレンジャーズ」にも言へる。大掛かりで、非日常的な──映画の世界ではタイム・スリップも宇宙船もクローン人間もあたりまへだが小説では未だにSF的だと一段低く見られる傾向がある──仕掛けが隠され、反体制的な立場に立たされた主人公が多くの犠牲を払ひつつも辛くも逃げ切り、ラストはハッピー・エンド。武器や情報機器、科学や医学などの新しいデータ(こつちが知らないだけ)が溢れ、家具やインテリアの知識も豊富だし、描写も細かい、呆れるほどに。スティーヴン・キングと比べられることがあるやうだが、キングとは書き方が違ふ気がする。いま「シャイニング」を読み始めてゐるのだが、細かさの質が違ふやうに思ふ。クーンツはやや理屈つぽい感じ。

2010-03-11

赤川次郎「人畜無害殺人事件」(257・used)を読んだ。4篇の連作短篇集。これに出てくる大貫警部、井上刑事、向井直子の3人は、シリーズのやうだ。大貫の強烈さは、ちよつとフロストを思はせるが、フロストほど不眠不休の警部でないのが残念。犯人の意外性、話の運びの早さ、軽いと言へば言へるけど、善人ばかりではないし、それなりに面白く読めた。

2010-03-08

岩明均「七夕の国」全4巻・小学館(253〜256・used)を読む。なんとなく手にしてパラパラとめくつたら、面白さうで、ちやうど4冊並んでゐて、4冊目の裏表紙を返して見ると全4巻となつてゐたので買ふことにした。なかなか面白かつた。後半になると謎解きの部分が呑み込みにくく、一気に読み終へることはできなかつた。簡単に言へば伝奇もの、特殊な能力を持つた人たちの話だが、七夕の話やグレゴリオ暦や太陽暦の話、更には未知との遭遇、クーンツのストレンジャーズ風の展開もある。絵が几帳面で丁寧なところが好ましい。