浦沢直樹・ビッグコミックス小学館(used)
読み始めはいつだつたらう。2月の頭くらゐか。少しでも安く手に入れようと、あつちこつち捜しまはつて漸くけふ館林のBookOffで半額セールをやつてゐたので17と18を買つて来て読み終へた。読み応へは充分にあつた。凡そ二箇月かかつてるので、納得できない部分もあるんだけど、通した印象はもう一度ざつとでも読み返してからにしよう。けふは兎も角記録として。なにがMonsterだつたのか。この答へによつて、評価は変るかも知れない。──先づ、最終巻から振り返つて全体を眺めると、トルコ人街の焼き討ちとか、どこかの年寄りの町医者との話とか、省いてしまつても全体の印象はさうかはらない気がする。寄り道が多すぎないか。結末はもつと明確にヨハンの死、またはニーナの死で締め括つてほしかつた。テンマの死でもかまはない。怪物、怪物とさはがしかつた割に、怪物つてその程度なの?と疑問が湧く。
2008-04-27
2008-04-21
116.種まく人──ヴィラデスト物語
玉村豊男・新潮文庫(used)
おしまひの章でベジタブルを読み解くところがある。生長・増殖するvegetateことが可能-able。「食用になる野草山菜のうち、人の管理下の植栽が可能なもの」をさう呼ぶ、と。農業は「人間が自然を自分の都合のよい方向にねじ曲げる行為」とも言ふ。が「実際には単に大きな自然のほんの少々のおあまりをいただくくらいのことしかできないのだ」といふ実感も語られる。長野の山奥に家を建て、農業を始めた経緯についてが語られるのだが、ところどころにかうした批評的な目が光つてゐる。「料理の四面体」もさうだつた。そこが面白い。
おしまひの章でベジタブルを読み解くところがある。生長・増殖するvegetateことが可能-able。「食用になる野草山菜のうち、人の管理下の植栽が可能なもの」をさう呼ぶ、と。農業は「人間が自然を自分の都合のよい方向にねじ曲げる行為」とも言ふ。が「実際には単に大きな自然のほんの少々のおあまりをいただくくらいのことしかできないのだ」といふ実感も語られる。長野の山奥に家を建て、農業を始めた経緯についてが語られるのだが、ところどころにかうした批評的な目が光つてゐる。「料理の四面体」もさうだつた。そこが面白い。
2008-04-17
115.高血圧の常識はウソばかり
桑島巌・朝日新書
カバーの裏にコピーして繰り返し使へる「書き込み式血圧チェックシート」が付いてゐる。それで買つたわけぢやないが。去年の10月に上が200といふ愕然とする数字を見て以来、高血圧に異常に興味を持つてしまつた。職場の健康診断のデータを調べたら5年くらゐまへまで130代だつのたが少しづつ上昇し始めたのだ。理由は解らないが、どうも尿酸値を気にして水を多く飲むやうになつたからではないか、と自己診断してゐる。生兵法は大けがの元。この本は実に読み易く、為になつた。ただ新書の宿命で物足りないのは否めない。どうすればいいのか、もつと具体的に、事例を挙げて、……なら病院で検査して貰ふのが一番だらう。
カバーの裏にコピーして繰り返し使へる「書き込み式血圧チェックシート」が付いてゐる。それで買つたわけぢやないが。去年の10月に上が200といふ愕然とする数字を見て以来、高血圧に異常に興味を持つてしまつた。職場の健康診断のデータを調べたら5年くらゐまへまで130代だつのたが少しづつ上昇し始めたのだ。理由は解らないが、どうも尿酸値を気にして水を多く飲むやうになつたからではないか、と自己診断してゐる。生兵法は大けがの元。この本は実に読み易く、為になつた。ただ新書の宿命で物足りないのは否めない。どうすればいいのか、もつと具体的に、事例を挙げて、……なら病院で検査して貰ふのが一番だらう。
2008-04-12
114.不敵雑記 たしなみなし
佐藤愛子・集英社文庫(used)
実に愉しく読めた。途中で飽きちまふかと思つたが、最後まで面白く、特におしまひのはうの幽霊騒動。筒井康隆の「笑犬樓よりの眺望」の第一回目に佐藤愛子の「何に向かって」といふエッセイが引用されてゐたのを読んで、いづれ纏まつたものを読みたいものだと思つてゐた。たぶん氏の本を読んだのは、これが初めて。親子くらゐのトシの差があるが、佐藤氏が取り上げる懐かしさは、オレの記憶にあるものとさうかはらない。ほかのも読もう。「何に向かつて」が入つてるのを捜すか。
実に愉しく読めた。途中で飽きちまふかと思つたが、最後まで面白く、特におしまひのはうの幽霊騒動。筒井康隆の「笑犬樓よりの眺望」の第一回目に佐藤愛子の「何に向かって」といふエッセイが引用されてゐたのを読んで、いづれ纏まつたものを読みたいものだと思つてゐた。たぶん氏の本を読んだのは、これが初めて。親子くらゐのトシの差があるが、佐藤氏が取り上げる懐かしさは、オレの記憶にあるものとさうかはらない。ほかのも読もう。「何に向かつて」が入つてるのを捜すか。
2008-03-17
113.おかしなことを聞くね
ローレンス・ブロック/田口俊樹・他訳・ハヤカワ文庫(used)
いつだつたか雑誌かなにかで宮部みゆきが薦めてゐた本で、偶然BookOffで見つけた。中町信の「三幕の殺意」の後で読み始めてゐたが、漸く読みをはつた。上手いねえ。タイトル作なんて7頁しかない。これも気に入つたが、好みから言ふと「我々は泥棒である」「動物収容所にて」「夜の泥棒のように」「無意味なことでも」「窓から外へ」かな。ローレンス・ブロックがシリーズで書いてる主人公が三人?出て来る。マット・スカダー、泥棒バーニィ、と後誰か。バーニィのシリーズは特に読んでみたいと思つた。斜に構へた感じの会話が面白い。マット・スカダーのはうはハード・ボイルドで、これもなかなかいい。兎に角上手い人だね。
いつだつたか雑誌かなにかで宮部みゆきが薦めてゐた本で、偶然BookOffで見つけた。中町信の「三幕の殺意」の後で読み始めてゐたが、漸く読みをはつた。上手いねえ。タイトル作なんて7頁しかない。これも気に入つたが、好みから言ふと「我々は泥棒である」「動物収容所にて」「夜の泥棒のように」「無意味なことでも」「窓から外へ」かな。ローレンス・ブロックがシリーズで書いてる主人公が三人?出て来る。マット・スカダー、泥棒バーニィ、と後誰か。バーニィのシリーズは特に読んでみたいと思つた。斜に構へた感じの会話が面白い。マット・スカダーのはうはハード・ボイルドで、これもなかなかいい。兎に角上手い人だね。
2008-03-15
112.トマソンの罠
とり・みき・文藝春秋(used)
いしかはじゆんの「漫画の時間」でも取り上げられてた人だけど、名前のみ見たことがあり実際に読んだことはなかつた。四コマの人かと漠然と思つてたら、つげ義春みたいなんだね。8篇収録されてゐるが、表題の「トマソンの罠」は都筑道夫の「夜のオルフェウス」を思はせる。wikiでいま調べたらつげ義春や水木しげる、白土三平とは縁がないみたいだが、建物とかアップになつた人物の書き方から、ちよつとそんなことを想像したのだ。「エリート」も面白かつた。「コインランドリー」は似たやうな設定のものを別の人で呼んだやうに思ふ。或は小説だつたか、テレビ番組の世にも不思議な辺りか。「雪の宿」が一番つげ的展開かな。「帰郷」は上手いと思つた。ありがちな筋書きだけど書き方がいい。すごく短いところもいい。
いしかはじゆんの「漫画の時間」でも取り上げられてた人だけど、名前のみ見たことがあり実際に読んだことはなかつた。四コマの人かと漠然と思つてたら、つげ義春みたいなんだね。8篇収録されてゐるが、表題の「トマソンの罠」は都筑道夫の「夜のオルフェウス」を思はせる。wikiでいま調べたらつげ義春や水木しげる、白土三平とは縁がないみたいだが、建物とかアップになつた人物の書き方から、ちよつとそんなことを想像したのだ。「エリート」も面白かつた。「コインランドリー」は似たやうな設定のものを別の人で呼んだやうに思ふ。或は小説だつたか、テレビ番組の世にも不思議な辺りか。「雪の宿」が一番つげ的展開かな。「帰郷」は上手いと思つた。ありがちな筋書きだけど書き方がいい。すごく短いところもいい。
2008-03-10
110.111.ストレンジャーズ 上・下
ディーン・R・クーンツ/宮脇孝雄訳・文春文庫(used)
面白かつたねえ。用事が入つて途中で本を置くのが惜しくて仕方がなかつた。名前だけは知つてたけど、ユッスー・ンドールみたい(名前を見たら、また聞きたくなつた)で読み難い名前だし、カタカナタイトルだし、表紙の絵がどれも好みぢやないし、ぶ厚いし、人がいつぱい出て来るし、面倒くさいので避けてゐた。しかし、初めて読んで驚いた。500頁を超える長さの2冊本を最後まで退屈させずに読ませるのだから凄い。細かい部分もよく書き込まれてゐるから、あり得ないやうな場面も抵抗がない。サスペンスのやうでSFのやうで、ファンタジーとも言へなくもないか。登場人物も魅力的だ。ジンジャー・ワイスをこの目で見たいし、ウィカジク神父、パーカー・フェイン、ジャック・ツイスト、リタ・ハナビィに会つてみたい。そしてリーランド・ファルカークの首根つこを摑んで考へられるだけの罵倒をしてやりたいくらゐだ。……が、文句を言へばキリがないところもある。ご都合主義的な展開だと言へば、それで終りだ。その辺りを捜して突ついたら成り立たない物語だ。大雑把な印象はハリウッド的SF映画のシナリオみたいなものだ。しかし、抜群に面白い。
面白かつたねえ。用事が入つて途中で本を置くのが惜しくて仕方がなかつた。名前だけは知つてたけど、ユッスー・ンドールみたい(名前を見たら、また聞きたくなつた)で読み難い名前だし、カタカナタイトルだし、表紙の絵がどれも好みぢやないし、ぶ厚いし、人がいつぱい出て来るし、面倒くさいので避けてゐた。しかし、初めて読んで驚いた。500頁を超える長さの2冊本を最後まで退屈させずに読ませるのだから凄い。細かい部分もよく書き込まれてゐるから、あり得ないやうな場面も抵抗がない。サスペンスのやうでSFのやうで、ファンタジーとも言へなくもないか。登場人物も魅力的だ。ジンジャー・ワイスをこの目で見たいし、ウィカジク神父、パーカー・フェイン、ジャック・ツイスト、リタ・ハナビィに会つてみたい。そしてリーランド・ファルカークの首根つこを摑んで考へられるだけの罵倒をしてやりたいくらゐだ。……が、文句を言へばキリがないところもある。ご都合主義的な展開だと言へば、それで終りだ。その辺りを捜して突ついたら成り立たない物語だ。大雑把な印象はハリウッド的SF映画のシナリオみたいなものだ。しかし、抜群に面白い。
2008-02-24
109.三幕の殺意
中町信・東京創元社
7年振りの新作などとしたり顔で言つても、実は05年の09月に「模倣の殺意」を文庫で初めて読み「こんなの書く人がゐるんだ」(日本にも、と解説を書いてる人たちは口を揃へるが、オレはまだクリスティの「アクロイド殺し」も読んでなかつたので)と驚きの余り蒐集を始めてまだ2年半だから、ずうつとまへから「錯誤のブレーキ」まで順番に読んで来た人みたいに、7年も待たされてはゐないのだ。それでも、もしまだ現役なら新作が読みたいと思つてたから、嬉しかつたね、実物を手にしたときは。さて、その中身は?まさに初期の中町作品だね。連続殺人でないところが、もともとは短いものだつたのかな、と思はせる。雪に閉ざされた山荘の、なんていふのは密室トリックの見本みたいなものらしいが(東野圭吾にそのまんまのタイトル小説がある)、けさ4時近くに目が覚めちまつて、風がやけにうるさいぜ、と外を見たら吹雪いてる。ホントかよ?戸沢とよさんと岡本花江さんの喋りは、この方言は上州弁かい?だらうな。「解説」にある「模倣の殺意」では「捨てトリックの小道具として使われた"ある機能"が」犯人のアリバイを鉄壁にするつて、どういふこと?
7年振りの新作などとしたり顔で言つても、実は05年の09月に「模倣の殺意」を文庫で初めて読み「こんなの書く人がゐるんだ」(日本にも、と解説を書いてる人たちは口を揃へるが、オレはまだクリスティの「アクロイド殺し」も読んでなかつたので)と驚きの余り蒐集を始めてまだ2年半だから、ずうつとまへから「錯誤のブレーキ」まで順番に読んで来た人みたいに、7年も待たされてはゐないのだ。それでも、もしまだ現役なら新作が読みたいと思つてたから、嬉しかつたね、実物を手にしたときは。さて、その中身は?まさに初期の中町作品だね。連続殺人でないところが、もともとは短いものだつたのかな、と思はせる。雪に閉ざされた山荘の、なんていふのは密室トリックの見本みたいなものらしいが(東野圭吾にそのまんまのタイトル小説がある)、けさ4時近くに目が覚めちまつて、風がやけにうるさいぜ、と外を見たら吹雪いてる。ホントかよ?戸沢とよさんと岡本花江さんの喋りは、この方言は上州弁かい?だらうな。「解説」にある「模倣の殺意」では「捨てトリックの小道具として使われた"ある機能"が」犯人のアリバイを鉄壁にするつて、どういふこと?
2008-02-18
108.アルバイト探偵 調毒師を捜せ
大沢在昌・講談社文庫(used)
続篇。これも一気に読んぢまつた。この親子探偵の設定はホントに面白い。このあとで3つ長篇が書かれてゐるが、このテンポの良さは短篇のはうが楽しいのでは?ドラマにしても面白いかも知れない。第1策のはうが好きだね。今度は「痛快コメディアクション」となつてる。
続篇。これも一気に読んぢまつた。この親子探偵の設定はホントに面白い。このあとで3つ長篇が書かれてゐるが、このテンポの良さは短篇のはうが楽しいのでは?ドラマにしても面白いかも知れない。第1策のはうが好きだね。今度は「痛快コメディアクション」となつてる。
107.アルバイト探偵
大沢在昌・講談社文庫(used)
一気に全4話読んでしまつた。「新宿鮫」が面白かつたので、他のを読んでみた。私立探偵親子の設定で、それもちよつと怪しいフリがあり、特に親父の涼介は一体何者だいと引つ張る。兎に角テンポが早くていい。「痛快アクションミステリー」と頭についてるけど、正にその通り、充分楽しんだ。「新宿鮫」よりも2年くらゐ前の作品。大沢在昌つて、生まれた年が同じなんだよねえ。
一気に全4話読んでしまつた。「新宿鮫」が面白かつたので、他のを読んでみた。私立探偵親子の設定で、それもちよつと怪しいフリがあり、特に親父の涼介は一体何者だいと引つ張る。兎に角テンポが早くていい。「痛快アクションミステリー」と頭についてるけど、正にその通り、充分楽しんだ。「新宿鮫」よりも2年くらゐ前の作品。大沢在昌つて、生まれた年が同じなんだよねえ。
2008-02-16
106.笑犬樓よりの眺望
筒井康隆・新潮文庫(used)
ずゐぶん久し振りだね、筒井康隆を読んだのは。結構何冊も読んでるはずだけど、……近いところで「虚航船団」は読んでなくて、「串刺し教授」は読んだ。「エロチック街道」と「虚人たち」は読んだけど「夢の木坂分岐点」と「歌と饒舌の戦記」は読んでないよなあ。この本の中に出て来る「朝のガスパール」と「パプリカ」は間違ひなく読んでない。暫く空いてしまつたのは、なにも断筆したからではない。これは断筆宣言までの10年間(1984〜1993年まで)に「噂の真相」(読んだことない)といふ雑誌に連載されてゐたもの。マスコミに自浄作用がない、など同じやうなことを考へる人がゐるのを知ると心強いね。ビニール蛙が誰なのか解らなかつたが、ネットでそのまま検索したら解つた。
ずゐぶん久し振りだね、筒井康隆を読んだのは。結構何冊も読んでるはずだけど、……近いところで「虚航船団」は読んでなくて、「串刺し教授」は読んだ。「エロチック街道」と「虚人たち」は読んだけど「夢の木坂分岐点」と「歌と饒舌の戦記」は読んでないよなあ。この本の中に出て来る「朝のガスパール」と「パプリカ」は間違ひなく読んでない。暫く空いてしまつたのは、なにも断筆したからではない。これは断筆宣言までの10年間(1984〜1993年まで)に「噂の真相」(読んだことない)といふ雑誌に連載されてゐたもの。マスコミに自浄作用がない、など同じやうなことを考へる人がゐるのを知ると心強いね。ビニール蛙が誰なのか解らなかつたが、ネットでそのまま検索したら解つた。
2008-02-11
105.名探偵コナン コナンからの挑戦状
青山剛昌・小学館(used)
生憎テレビのアニメは見たことがない。番組の前後でチラッと見たり、予告を見たことがある程度。勿論、原作の漫画も読んだことがなかつた。それがこないだ、たまたま車のオイル交換で立ち寄つたオートアールズの待合所にコナンが何冊も並んでゐて、読んだら意外に面白かつたのだ。そのときに読んだのがFile4。この本は事件篇と解決篇の2冊に分かれてゐる。全部で7つの事件があり、どれもなかなかよく出来てゐるが、気になるところもある。ネタバレになつちやふけど、File1椅子のうへから後ろ向きに飛ぶなんて体操選手ですか?逆に蹴る恰好になつて椅子は倒れてしまふでせう。File5将棋の話が予め出てないのはどうでせう。File6包帯を間違へて巻きますかね、それとトイレの順番は違ふんぢやないの?それに流石に人間を投げ下ろしたらドサッとか音がするでせう。便器にでも当たれば大変な音がすると思ふよ。(その後なぜ工藤新一がコナンになつちまつたのか知りたくて、コミックの第一巻をBookOffで買つてしまつた。ははは。)
生憎テレビのアニメは見たことがない。番組の前後でチラッと見たり、予告を見たことがある程度。勿論、原作の漫画も読んだことがなかつた。それがこないだ、たまたま車のオイル交換で立ち寄つたオートアールズの待合所にコナンが何冊も並んでゐて、読んだら意外に面白かつたのだ。そのときに読んだのがFile4。この本は事件篇と解決篇の2冊に分かれてゐる。全部で7つの事件があり、どれもなかなかよく出来てゐるが、気になるところもある。ネタバレになつちやふけど、File1椅子のうへから後ろ向きに飛ぶなんて体操選手ですか?逆に蹴る恰好になつて椅子は倒れてしまふでせう。File5将棋の話が予め出てないのはどうでせう。File6包帯を間違へて巻きますかね、それとトイレの順番は違ふんぢやないの?それに流石に人間を投げ下ろしたらドサッとか音がするでせう。便器にでも当たれば大変な音がすると思ふよ。(その後なぜ工藤新一がコナンになつちまつたのか知りたくて、コミックの第一巻をBookOffで買つてしまつた。ははは。)
2008-02-04
104.猿島館の殺人
折原一・光文社文庫(used)
「七つの棺」に登場した黒星警部もの。ポーの「モルグ街の殺人」(読んだことがあるが、よく覚えてゐない)ほか幾つかの作品を下敷きにしてゐるやうだ。パロディなんだとさ。なかなか面白かつたね。同じコンビ(黒星・葉山虹子)で「鬼面村の殺人」(旧題「鬼が来たりてホラを吹く」)が先に書かれてゐるので、そつちも見つけたら買つて置かうか。新本格推理の書き手たちとほぼ同時期に書き始めたと思ふが、あつちはいま一つ乗れない。折原一のほうが好みだな。まへに内田康夫のところで言つたが、これも年代がはつきりしないのだが、現在から遡つて例へば一つの事件がある、なんて場合にはやつぱり漠然とでも現在時を知る記述がほしい、といふ意味で言つたので、これはそんなことは気にならない。
「七つの棺」に登場した黒星警部もの。ポーの「モルグ街の殺人」(読んだことがあるが、よく覚えてゐない)ほか幾つかの作品を下敷きにしてゐるやうだ。パロディなんだとさ。なかなか面白かつたね。同じコンビ(黒星・葉山虹子)で「鬼面村の殺人」(旧題「鬼が来たりてホラを吹く」)が先に書かれてゐるので、そつちも見つけたら買つて置かうか。新本格推理の書き手たちとほぼ同時期に書き始めたと思ふが、あつちはいま一つ乗れない。折原一のほうが好みだな。まへに内田康夫のところで言つたが、これも年代がはつきりしないのだが、現在から遡つて例へば一つの事件がある、なんて場合にはやつぱり漠然とでも現在時を知る記述がほしい、といふ意味で言つたので、これはそんなことは気にならない。
2008-01-31
103.軽井沢殺人事件
内田康夫・光文社文庫(used)
軽井沢には20代の半ばに住んでたことがあるので読んでみようかと思つた。年代としてはオレがゐた頃より10年くらゐ後の話らしい。らしい、と言ふのは、内田康夫のミステリーは例へばそれが昭和何年、平成何年の事件かといふことが明記されてないからだ。雑誌に掲載された時点、または書き下ろしで出版された時点がその舞台なのだらう、と推測するしかない。時代背景はそんなに変らないね。モデルになつた茜屋珈琲店には二回くらゐ行つたことがあるかな。いろんなカップが壁に並んでゐて選べたやうな気がする。信濃のコロンボ・竹村岩男と浅見光彦の共演作。公安と警察の対立とか、旧華族や政財界の大物とか、裏取引とか、いろいろ扱つてるけど、ちつとも暗く感じないのは広く浅くといふ読み物としてのミステリーだからかな。トリックがどう、刑事たちの推理がどう、もう、さういふ世界ではない。読み物ですね。29日に読みおはつたけど、時間が取れなくて書けなかつた。急いで書いてるので後で修正するかも。
軽井沢には20代の半ばに住んでたことがあるので読んでみようかと思つた。年代としてはオレがゐた頃より10年くらゐ後の話らしい。らしい、と言ふのは、内田康夫のミステリーは例へばそれが昭和何年、平成何年の事件かといふことが明記されてないからだ。雑誌に掲載された時点、または書き下ろしで出版された時点がその舞台なのだらう、と推測するしかない。時代背景はそんなに変らないね。モデルになつた茜屋珈琲店には二回くらゐ行つたことがあるかな。いろんなカップが壁に並んでゐて選べたやうな気がする。信濃のコロンボ・竹村岩男と浅見光彦の共演作。公安と警察の対立とか、旧華族や政財界の大物とか、裏取引とか、いろいろ扱つてるけど、ちつとも暗く感じないのは広く浅くといふ読み物としてのミステリーだからかな。トリックがどう、刑事たちの推理がどう、もう、さういふ世界ではない。読み物ですね。29日に読みおはつたけど、時間が取れなくて書けなかつた。急いで書いてるので後で修正するかも。
2008-01-27
102.伊香保殺人事件
内田康夫・光文社文庫(used)
これを読んで漸くわかつたのは、内田ミステリーはいはゆる本格ミステリーではない、といふことだ。だから、犯人が見つからないやうに工作をしても、それは「鉄壁なアリバイ」とか「見事なトリック」ではないワケなんだ、とホントに漸く納得した。さう、題名の脇に書いてあるのは「長篇推理小説」であり、「本格推理小説」ではない。どうしてそんな風に勘違ひしちまつたのだらう。鮎川哲也の評かなにかを読んだのかも知れない。それで、さう思ひ込んでたのかも。……どつちにしても、失礼しました。これまでの苦言は的外れだつたかも。普通の推理小説として読めば充分楽しめる。そのまま書いてある通りに読んで行けばいいんだから、楽。売れるワケだ。で、この「伊香保殺人事件」もさう。これは浅見光彦シリーズの一つ。最初に登場する焼死体が誰で、ロープウェーの崖下で死んだ女の目撃者は誰か、なんてことに煩はされずに、ひたすら文字を追つて行けば事件は解決する。至れり尽くせりの推理小説だ。ちよつと物足りない気もするが、石川真介の「本格推理小説」よりは数段マシだ。
これを読んで漸くわかつたのは、内田ミステリーはいはゆる本格ミステリーではない、といふことだ。だから、犯人が見つからないやうに工作をしても、それは「鉄壁なアリバイ」とか「見事なトリック」ではないワケなんだ、とホントに漸く納得した。さう、題名の脇に書いてあるのは「長篇推理小説」であり、「本格推理小説」ではない。どうしてそんな風に勘違ひしちまつたのだらう。鮎川哲也の評かなにかを読んだのかも知れない。それで、さう思ひ込んでたのかも。……どつちにしても、失礼しました。これまでの苦言は的外れだつたかも。普通の推理小説として読めば充分楽しめる。そのまま書いてある通りに読んで行けばいいんだから、楽。売れるワケだ。で、この「伊香保殺人事件」もさう。これは浅見光彦シリーズの一つ。最初に登場する焼死体が誰で、ロープウェーの崖下で死んだ女の目撃者は誰か、なんてことに煩はされずに、ひたすら文字を追つて行けば事件は解決する。至れり尽くせりの推理小説だ。ちよつと物足りない気もするが、石川真介の「本格推理小説」よりは数段マシだ。
2008-01-24
101.蜃気楼の殺人
折原一・光文社文庫(used)
原題は「奥能登殺人旅行」。1992年11月カッパノベルス刊。中町信の新作かな、と思ふやうなタイトル。さう、「能登路殺人行」といふのが多門耕作シリーズで、ある。1992年4月ケイブンシャノベルス刊。まあ、能登を舞台にしたミステリーは山ほどあるだらうが。終盤の種明かしで少し急いでゐる気がする。「沈黙者」がたつぷり書き込まれてゐたので、さう感じるのかも。中町信風なところが、よい。旅館に本館と別館があること、現在と過去のカラクリに注意しないといけない。
原題は「奥能登殺人旅行」。1992年11月カッパノベルス刊。中町信の新作かな、と思ふやうなタイトル。さう、「能登路殺人行」といふのが多門耕作シリーズで、ある。1992年4月ケイブンシャノベルス刊。まあ、能登を舞台にしたミステリーは山ほどあるだらうが。終盤の種明かしで少し急いでゐる気がする。「沈黙者」がたつぷり書き込まれてゐたので、さう感じるのかも。中町信風なところが、よい。旅館に本館と別館があること、現在と過去のカラクリに注意しないといけない。
2008-01-19
100.新宿鮫
大沢在昌・光文社文庫(used)
面白かつた。シリーズを続けて読んでみたいくらゐ。晶との遣り取りとか、絡みのところは凄く面映い。犯人が最初のはうで主人公と接触する場面は自然だし、上手い。エドの扱ひも最後まで目配りしてるのが、いい。ひよつとしたら作者のネガかも。謎が、犯人は誰かが主眼ではないのに配慮されてる。どうやつて殺したのか、まで明らかにしなくてはいけないタイプの小説ではないから、勝手に想像すればよいことだ。非常に緊張感のある展開で、ハラハラさせられる。それは「スナーク狩り」にも言へるけど。
年ごとに1から始めるのは止めて通し番号にした。再読は含まない。
面白かつた。シリーズを続けて読んでみたいくらゐ。晶との遣り取りとか、絡みのところは凄く面映い。犯人が最初のはうで主人公と接触する場面は自然だし、上手い。エドの扱ひも最後まで目配りしてるのが、いい。ひよつとしたら作者のネガかも。謎が、犯人は誰かが主眼ではないのに配慮されてる。どうやつて殺したのか、まで明らかにしなくてはいけないタイプの小説ではないから、勝手に想像すればよいことだ。非常に緊張感のある展開で、ハラハラさせられる。それは「スナーク狩り」にも言へるけど。
年ごとに1から始めるのは止めて通し番号にした。再読は含まない。
2008-01-17
99.スナーク狩り
宮部みゆき・光文社文庫(used)
時代物は読んでないが、この作者の作品は「火車」「レベル7」「魔術はささやく」「龍は眠る」「理由」──と挙げて来て殆ど、いや、どれもなにかの賞を取つてる!──と短篇集も読んだことがある。なにしろ「我らが隣人の犯罪」といふデビュー作を新人賞を受賞して掲載された雑誌で読んだことがあるのだ。だから、なんだと言はれればなんでもないが、縁がある、かな。なんて上手いんだらう、と読むたびに思ふ。的確なんだと思ふ、言葉の選び方が。細かい技術は知らないがイメージがはつきり伝はつて来る。……しかし、この小説ではその上手さが却つて痛々しく感じる。扱つてゐる内容が、とくに織口に関はる事件は使ひ古しのボロ雑巾だ。事件そのものは許しがたい犯罪だけど。偶然を一切排除したら小説は成り立たないが、なぜ関沼慶子は発砲しなかつたのか、織口はどうやつてクロロフォルムを手に入れたのか、神谷尚之の車が通らなかつたら、黒沢が慶子の部屋の様子を見に来なかつたら、国分が鍵を持つてなかつたら、言つたらキリがない。ただ、これは1992年の6月にカッパノベルズとして刊行されたものだが、佐倉修治は完全な酔つ払ひ運転で高速道路を走つてゐるんぢやないか。織口邦男も酔つ払ひ運転でベンツを走らせてゐるんだけど、……いいのかな。兎に角、読んでゐて緊張感はたつぷりあります。
時代物は読んでないが、この作者の作品は「火車」「レベル7」「魔術はささやく」「龍は眠る」「理由」──と挙げて来て殆ど、いや、どれもなにかの賞を取つてる!──と短篇集も読んだことがある。なにしろ「我らが隣人の犯罪」といふデビュー作を新人賞を受賞して掲載された雑誌で読んだことがあるのだ。だから、なんだと言はれればなんでもないが、縁がある、かな。なんて上手いんだらう、と読むたびに思ふ。的確なんだと思ふ、言葉の選び方が。細かい技術は知らないがイメージがはつきり伝はつて来る。……しかし、この小説ではその上手さが却つて痛々しく感じる。扱つてゐる内容が、とくに織口に関はる事件は使ひ古しのボロ雑巾だ。事件そのものは許しがたい犯罪だけど。偶然を一切排除したら小説は成り立たないが、なぜ関沼慶子は発砲しなかつたのか、織口はどうやつてクロロフォルムを手に入れたのか、神谷尚之の車が通らなかつたら、黒沢が慶子の部屋の様子を見に来なかつたら、国分が鍵を持つてなかつたら、言つたらキリがない。ただ、これは1992年の6月にカッパノベルズとして刊行されたものだが、佐倉修治は完全な酔つ払ひ運転で高速道路を走つてゐるんぢやないか。織口邦男も酔つ払ひ運転でベンツを走らせてゐるんだけど、……いいのかな。兎に角、読んでゐて緊張感はたつぷりあります。
2008-01-12
98.美濃路殺人悲愁
石川真介・光文社文庫(used)
だいぶ前に「不連続線」といふ、第2回鮎川哲也賞を受賞したデビュー作を読んだことがあり、この事件は解決してませんよ、とHP「月刊彦七新聞」に書いたことがある。東大法学部出身の、いまもトヨタに勤めてゐる、──から、それがどうした、なんたけど、オレが好きな鮎川哲也が絶賛してるので読んだら、どこがそんなに凄いんだい?と正直思つた。ほかにも幾つか不満を挙げたにもかかはらず、またしても同じ作者の本を読んだわけは、BookOffで立ち読みしてゐて、プロローグがちよつと面白さうだなと思つたからで、……しかし、これは設定そのものが受け入れられない。馴染めない。趣味が悪い。メインになる探偵役が添へもの。私的な恨みをはらすために関係者を呼び集め、プレゼンテーションみたいに事件を解明しようといふのはどうか。茶番だ。第一、思ひ出したくない過去がある美濃路に、その負ひ目のために大垣を離れたとまで言ふ人間が、差出人の曖昧な誘ひに乗りますかね。ラストの殺人は衝動的過ぎて受け入れられない。その恩を考へたら、先づ迷ふでせう。大事な息子の自殺の原因が、信頼してゐた教師の暴力が引き金だとてしも、継続的な暴力にずつと耐へてゐたのなら、こいつ最悪、と思へる。でも、さうではないらしい。これはどうも答へが先にあつて、それに見合ふ筋書きを作つたとしか思へない。ミステリーとして、どうでせう。誰にも薦められない。
だいぶ前に「不連続線」といふ、第2回鮎川哲也賞を受賞したデビュー作を読んだことがあり、この事件は解決してませんよ、とHP「月刊彦七新聞」に書いたことがある。東大法学部出身の、いまもトヨタに勤めてゐる、──から、それがどうした、なんたけど、オレが好きな鮎川哲也が絶賛してるので読んだら、どこがそんなに凄いんだい?と正直思つた。ほかにも幾つか不満を挙げたにもかかはらず、またしても同じ作者の本を読んだわけは、BookOffで立ち読みしてゐて、プロローグがちよつと面白さうだなと思つたからで、……しかし、これは設定そのものが受け入れられない。馴染めない。趣味が悪い。メインになる探偵役が添へもの。私的な恨みをはらすために関係者を呼び集め、プレゼンテーションみたいに事件を解明しようといふのはどうか。茶番だ。第一、思ひ出したくない過去がある美濃路に、その負ひ目のために大垣を離れたとまで言ふ人間が、差出人の曖昧な誘ひに乗りますかね。ラストの殺人は衝動的過ぎて受け入れられない。その恩を考へたら、先づ迷ふでせう。大事な息子の自殺の原因が、信頼してゐた教師の暴力が引き金だとてしも、継続的な暴力にずつと耐へてゐたのなら、こいつ最悪、と思へる。でも、さうではないらしい。これはどうも答へが先にあつて、それに見合ふ筋書きを作つたとしか思へない。ミステリーとして、どうでせう。誰にも薦められない。
2008-01-07
97.北国街道殺人事件
内田康夫・徳間文庫(used)
こつちを先に買つたのだが、書かれた順番が「萩原朔太郎の亡霊」のはうが早いので順に読むことにしたのだ。やはり解決部分が物足りなく感じた。朔太郎の亡霊では頻りに所轄の警察への礼儀といふことが出て来たが、ここでは竹村警部は東京でなかり自由に捜査してゐる。第三章の終りで「被害者宅を訪ねて親戚やら知人やらを当たって、いろいろと面白い事実を聞き込むことができましたよ」と竹村警部は言つてるけれども、読み手に解つてゐるのは被害者の実家である新潟での聞き込みだけだ。それが書いてなくても、死体の摺り替へだらう、くらゐは予想がついてゐるから構はないが、ちよつと不満がある。あれほど苦労してゐた野尻湖の最初の事件は、一体どんな風に実行され、なぜ二つ目の野尻湖での事件のやうに目撃者がなかつたのか、その辺はきちんと説明してほしい。これで続けて3冊読んだわけだが、オレが期待するミステリーではないやうだ。
こつちを先に買つたのだが、書かれた順番が「萩原朔太郎の亡霊」のはうが早いので順に読むことにしたのだ。やはり解決部分が物足りなく感じた。朔太郎の亡霊では頻りに所轄の警察への礼儀といふことが出て来たが、ここでは竹村警部は東京でなかり自由に捜査してゐる。第三章の終りで「被害者宅を訪ねて親戚やら知人やらを当たって、いろいろと面白い事実を聞き込むことができましたよ」と竹村警部は言つてるけれども、読み手に解つてゐるのは被害者の実家である新潟での聞き込みだけだ。それが書いてなくても、死体の摺り替へだらう、くらゐは予想がついてゐるから構はないが、ちよつと不満がある。あれほど苦労してゐた野尻湖の最初の事件は、一体どんな風に実行され、なぜ二つ目の野尻湖での事件のやうに目撃者がなかつたのか、その辺はきちんと説明してほしい。これで続けて3冊読んだわけだが、オレが期待するミステリーではないやうだ。
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