2012-01-17

はやみねかおる「都会のトム&ソーヤ④四重奏」講談社YA!ENTERTAINMENT(427)。内藤内人と竜王創也でなんでトム&ソーヤなのか。ソーヤは創也でいいけど、トムはどうして?の答へがOPENINGに出てくる。今回はマラソン大会、文化祭といふ設定なので、季節はほぼ秋と見てよい。やつぱり頭が古いせゐか季節が分つたはうが楽しめる。

2012-01-14

はやみねかおる「都会のトム&ソーヤ③いつになったら作戦終了?」講談社YA!ENTERTAINMENT(426)。今度は文化祭がメインになるので季節はほぼ秋だらう、と推察する。栗井栄太の正体が分つたと思つたら、今度は新たに謎の「頭脳集団」なるものが登場する。因みに主な登場人物は、主人公「ぼく」内藤内人と竜王創也の二人、ともに中学二年生。創也には二階堂卓也といふボディガード、「ぼく」の憧れ堀越美晴。

2012-01-09

はやみねかおる「都会のトム&ソーヤ②乱!RUN!ラン!」講談社YA!ENTERTAINMENT(425)。未だに本を読む気になれないのだが、このシリーズは読める。スラスラと頭に入る。①で登場した伝説のゲームクリエーター栗井栄太と愈々対決。小説と言ふより読み物だ、と①を読んで書いたのは、季節が特定できないこと、服装、食べ物などの描写が殆どないこと。この本の所有者である娘に季節が分らないと言ふと、そんなことは重要ぢやないよ、と言はれてしまつた、確かに。

2012-01-04

酒井雄哉「一日一生」朝日新書(×4)1年の始まりはやはり大阿闍梨のこの本から。P49「命が残されているっていうことは、今何歳であろうと、まだまだしなくちゃなんないことがあるのとちがうかな」、P81「何をやるにしても「何のために、何をもって」と考える」、常行三昧のあとでP174「習慣っていうのは(毎日立ったまま歩き続けてお経を唱えていると、修行を終えて横になったとき、天井が目の前に立ち塞がる壁に見えた)それくらい人の感覚を狂わせてしまう」「人間のものの見方や心のありようっていうのは、いろんなものでどうにでも左右されちゃうということ」「だから自分から見て、どんなに正しいと思えることでも、もしかしたらいろいろなことにとらわれてそう見えるのかもしれない。自分がどんな立場でそれを見ているのかということをいつもいつも確かめないといけない」。(引用ばかりで著作権に触れるかも)

2011-12-24

東川篤哉「謎解きはディナーのあとで2」小学館(424)娘の本を借りて読んだ。前作とほぼ同じ。すらすらと読める。書き下ろしの第6話のトリックは作りすぎだと思ふんだけど。

2011-12-20

四方田犬彦「「かわいい」論」ちくま新書(423・used)かはいい、は「可哀想」かはいさうの親戚、或は兄弟だと思ふ。オレはこの言葉を連発されるのが嫌ひだ。小さいもの、幼いものに向けられた「かはいい」以外は許せない。優位に立つたヤツが誰かや何かを見下してゐる現場に立ち会ひたくないからだ。かはいい、と一度も口に出したことがないテレビ・タレントがゐるだらうか。日本テレビの、曜日は忘れてしまつたが、なんとか動物園といふ番組でこれを連発する女のタレントがゐて、鬱陶しくて仕方がない。かうした動物が出て来る番組は基本的に嫌ひ(動物虐待ぢやないかとさへ思つてゐる)で、更にこの「かはいい」連呼に呆れ果てて、そのタレントも大嫌ひになつたし、番組も一切見なくなつた。

2011-12-16

貫井徳郎「迷宮遡行」新潮文庫(422・used)「慟哭」が面白かつたので、買つてみた。とつぜんの妻の失踪を追跡するうちに事件に巻き込まれて行く話。暴力団抗争と絡ませなくてもいいんぢやないのかなあ。妻の素性が二転三転して、結果は大胆だけど、動かせないストーリーの骨組みが先にあるからさうなつた、といふ気がする。P54をはりのはうで、電気のメーターボックスにある合鍵を偶然見つける件り。「腹立ち紛れに、メーターボックスを開けてみた。」止むを得ないかも知れないが、出来過ぎでせう。P98妻に似た人と妻と妻の妹と佐久間の妹が入り乱れて区別ができない。終盤(31の部分)の主人公の行動は判らなくもないが、強引な気もした。警察官の兄がゐて、一応は助けられてもゐるワケで、それでも取れる行動だらうか。「天使の屍」でも納得できないところがあつたし、しばらく貫井作品には手を出さないことにしよう。

2011-12-10

黒川博行「絵が殺した」徳間文庫(421・used)これも「暗闇」と一緒に買つた。こつちは刑事が探偵。クロマメコンビとは別の大阪府警。贋作事件を扱つたもので、事情に詳しいのは黒川博行が美大卒のせゐだらうか。警察もののはうが好きだなあ。クロマメコンビが特に。

2011-12-05

黒川博行「暗闇のセレナーデ」徳間文庫(420・used)久し振りに見つけた黒川博行。たぶん表紙は奥さんの絵でせう。美大へ通ふ二人の女子大生が探偵。美術界の裏世界。題名の意味がいま一つ。余計な疑問かもしれないが、アトリエの中に粘土槽がある。それを警察は掘り返したりしないのだらうか。ま、そこで殺人があつたわけぢやないから、と言はれたらそれまで。狭山事件では容疑者の自宅の肥溜めの中まで調べたといふので、ちよつと気になつた。P99の7行目、「刑事部長」は「刑事部屋」の誤植でせう。「刑事部長には田村と浜野がいた」はをかしいから。

2011-11-20

古谷実「シガテラ」1〜6講談社ヤンマガKC(414〜419・used)。「わにとかげぎす」「ヒミズ」と読んで来て、ぜひ読みたいと思つてゐた。それが全巻揃つて棚にあつたら当然買ふよね。デビュー作の「稲中卓球部」も1を読んだけど続きを読む気にはならなかつた。「ヒミズ」──最近映画になつた──のまへに「僕といっしょ」「グリーンヒル」などがあるが、これらもなかなか全巻揃つて並んでゐることはない。で、「シガテラ」。ごく普通の男が奇麗な女の子に好かれるといふ設定は、「わに」もさう。途中、犯罪が絡んで来るところも似てる。最後の南雲さんとの関係がどうしてさうなの?と思つたが、それもまた青春といふものさ、さういふ意味なのかな。因みにシガテラは食中毒の一種(wikipedia)。

2011-11-14

井上夢人「あわせ鏡に飛び込んで」講談社文庫(413・used)。岡嶋二人の作品は好きなので、何冊か読んでる。一人になつてからのものは、どうだつたらう。おなしな二人は図書館で借りて読んだやうな気がする。これには10の短篇があり、現実にはありさうもないが、あつてもをかしくなくて、あつたら怖い話。

2011-11-13

野崎昭弘「詭弁論理学」中公新書(×2)。5年前に再購入したもの。知人に貸して、それきりになつてゐた。一度読んでゐるので再読扱ひ。始めのはうに出て来る3つのパズル。13人を12の部屋に入れる問題、レコードの値引きとお釣りの問題はなんなく解けた。二人の天使にどつちが天国へ行く道か聞く問題はちよつと時間が掛かつたが、ほぼ正解できた。P118〜の年間降水量を土地の広さで計算し直し、人口で割ると日本はけして水が豊富な国ではないといふ結果が出るのは面白い。それとP135でアナトール・フランスの少年少女の話が取り上げられてゐるけれど、すつかり忘れてゐたので、もう一度読み返したくなつた。
業田良家「世直し源さん」1〜3(×2)。寝る前に読んでゐた。買つたときと同じで途中でやめられなくなり、何度か夜更かししてしまつた。記憶では2巻の終りで出て来る尻崎良人がもつと源さんと絡んで邪魔をするやうな気がしてゐたんだけど。兎に角面白かつた。

2011-10-30

池波正太郎「江戸の暗黒街」角川文庫(412・used)。短篇集。題名が時代小説らしくないのは、意図的なものか。なんとも、人生の皮肉さや意地悪さを知り抜いてゐると思はせる物語ばかり。皮肉な結末がたくさんあるけれども、突き放すのではなく、それもまた人生さ、と言つてる気がする。大人の小説、読み物。池波正太郎はもしかしたら、読み物としての小説を目指してたのかなあ。

2011-10-24

ジョナサン・キャロル/浅葉莢子訳「死者の書」創元推理文庫(411)。そもそも、なぜ原書のタイトル「笑いの郷」ではないのか。理由が判らない。それと比喩が煩くて読み難い。根本的な仕掛けのところが受け入れられない。短篇集は面白かつたし、これも面白いんだけど、たぶん、もうジョナサン・キャロルを読むことはないと思ふ。

2011-10-15

茂木健一郎「ひらめき脳」新潮新書(410・used)。始めに4枚の絵が出て来る。3枚目の白黒の絵が判らなくて、ネットで同じ絵を見たら判つた。幾つかメモしたことがある。気づかないことに気づく能力、非線形、セレディビティ(思はふ幸運に偶然出会う能力)、「幸運は準備のできたものに味方する」Chance visits the prepareded mind=パスツールの言葉。なかなか面白い本でした。

2011-09-25

西村京太郎「殺しの双曲線」講談社文庫(409・used)。実に面白かつた。一気に読んでしまつた。双子のトリックと予め書いてあり、小柴といふ双子の兄弟が出てきて、逆にそれで騙された。昔読んだ西村氏の作品、その後読んだものも含めて、一番面白かつた。忘れてるものもあるけど。

2011-09-23

夢枕獏「陰陽師」文春文庫(408・used)。映画にもなつた安倍晴明の話。東海林さだおみたいに文章が短いのと改行が早いので読みやすい。呪(しゅ、と読む)についての対話が面白い。名前も呪だと言う安倍晴明。正にさうだな、と思ふ。清明の家が草が生え放題の庭、といふので、吉田健一の金沢を思ひ出した。続篇があれば読みたいし、レンタルDVDで映画も見やうか。

2011-09-18

鮎川哲也「早春に死す」光文社文庫(407・used)。黒いトランクの別ヴァージョンを続けて読み返して以来、トリックの扱ひが矢鱈と気になる。ここにあるのは、どれもトリックが目立つて余り感心しなかつた。「急行出雲」なぜ容疑者を目撃者に合はせないのだらう。声が違ふんぢやないの? 「下りはつかり」セーターのトリックは無理があるのでは? 裏返したら、肩の編目とかが拡大すればわかつてしまふのではないか。ラグランショルダーですか? 4時間の空白が出来るけど、写真を撮つた奥さんが一緒だつた筈だから、どこで釣をしてゐたか、などを聞いたらアリバイが成立しないんぢやないの?

2011-09-07

滝沢解・作/池上遼一・画「モッブ」HMBホーム社文庫・集英社(406・used)。最後にどんでん返しがある。結末から振り返ると、全体がやや強引な気もする。大阪府警の、親ツさんと呼ばれる刑事は過剰なデフォルメでは?銀八の実家の洗濯機に書かれた血の文字は誰がいつ書いたのか。静はいつどうやつてガスマンこと木村光男の素性を知つたのか。また静はその後どうなつたのか。終盤はちよつと文学的で読み難かつた。しかし、それでも池上遼一の絵は素晴らしい。